潜在活用

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宣伝材料を、誰もが使用できるようにオープンにすること。広めることに注力せず、正しく残すことに注力することで、潜在的なオープンスタイルの活用方法となる。広く頻繁に利用されることを前提にしていないため、SNSで拡散されるわけでもなく、閲覧頻度も計測する意味も求めない。いつか必要な人が使えるようにしておく、つまりそこに「ある」というだけでいいという活用方法。

社史づくりをしている視点からすると、企業の歴史などの資料整理作業は、周年事業を迎える前の限られた期間で行うことが求められる。少なくとも10年一区切りな形での事業となるため、企業担当者にしてみればノウハウもなく、残されているものも少ない。

こうした周年事業担当者にしてみれば、企業アーカイブの潜在活用が非常に助かることになる。もちろん情報を整理し、必要なアーカイブ構築がなされていれば、周年事業以外にも「会社のことを知る」ためのポータルにも成り得る。新入社員や新規取引先に提示できる情報がカンタンに引き出せること、誰もが同じく正しい情報を得られる。編集者としてサポートしている立場からすると、クライント担当者がゼロからの収集整理作業を実施するための労力に比べれば、遥かに楽に思える。

一過性の短期間事業ではなく、ロングテールな潜在活用を目的に、デジタルアーカイブ事業というのは必要なんじゃないかなぁという主張。もちろん、費用対効果という意味では「潜在活用」だし、短期的な目線での評価は高まらないだろうなというジレンマ。

さらに言えば、いわゆるアーカイブ事業に対してはあくまでも潜在活用を前提とし、「いま」活用することの意味を見出すのではなく、「いま」運用をどうするかという議論にシフトすることが重要じゃないかなと。議論のすり替えではあるが、アーカイブの本質はそこにあるのではないか。そして、どのように蓄積するか、いかに「正しさ」を担保して残していくかがより重要ではあったりするのではないだろうか。今どきの生成AI怖い。

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